【ムジナ屋敷】物語の結末は参加者次第!夜の映画村を舞台にした没入アトラクション体験レポート

2024.10.25

没入アトラクション「ムジナ屋敷 -鏡、小泉八雲にうつりて」が、10月5日からスタートしました!
物語のメインキャラクターは明治時代の作家、小泉八雲。夜の映画村を舞台に、参加者が実際に登場人物の話を聞いたり情報を収集したりしながら、閉鎖的な屋敷で起こった奇怪な連続死の謎を探ります。

RabbitholeとHOXがタッグを組み、京都・東映太秦映画村を舞台にした作品の第3弾となる今作。ストーリーをなぞるイマーシブ体験とは違い、参加者の選択によって物語が分岐し、エンディングも変わっていくという、この夜限りの物語体験ができる作品となっています。

[東映太秦映画村・特設サイト]
https://www.toei-eigamura.com/mujina/

しかし、言葉で説明されただけではイメージしづらいかもしれません。
というわけで、今回は実際に没入アトラクションを体験してきた様子をレポートいたします!

*この記事では「ムジナ屋敷 -鏡、小泉八雲にうつりて」の序盤パートのネタバレを一部含みます。

目の前で繰り広げられる、物語のはじまり

受付を済ませて、会場であるパディオス3階ホールで開演を待つ参加者。
壇上には古ぼけたコレクションが並んでいます。

照明が暗くなると、「おーい、ここですナ」と声が聞こえてきます。
声の主は壇上の中央に鎮座している「雲外鏡」。
それでは、物語のはじまりです。

「雲外鏡」とは妖怪のひとつ。
この物語の中の「雲外鏡」は思い出を語るのが趣味で、それを聞いた者はまるでその話のなかにいるかのような錯覚を得るのだそう。



雲外鏡が語り始めた思い出は、明治時代の中頃にあったお話。小泉八雲の目玉に乗り移っていたころに見た事件のことでした。

 

「特に妙な事件でしたナ。結局、真相はわからぬまま。あれは八雲が調査の依頼をされて、とある屋敷を訪れたときのことでしたナ」

馬車を乗り付けて、小泉八雲が登場しました。
昔の教え子である葉助(ようすけ)の依頼で、とある屋敷にやってきたようです。



葉助が庭師として働く屋敷では、3人の住み込みの奉公人たちがわずか2カ月の間に次々と敷地内で亡くなったのだとか。それも恐ろしく奇妙な死に方で、頭から腰までが土に埋まった状態で発見されたという。

「何者かに殺された?」

そう考えるのが順当と思えますが、昔からこの屋敷には「ムジナが憑いている」という噂がありました。何らかの祟りだと考えて次々と奉公人たちが出ていってしまい、屋敷のことを案じた葉助は八雲先生に助けを求めたのです。

奇怪な連続死の真相は、人の仕業か、それともあやかしの仕業か。
事件について探っていきます。



と、ここまでがオープニング。開演早々、八雲先生は客席から登場するし、ステージの奥行きも存分に使っていて引き込まれます!

参加者の行動によって物語が展開。事件を探るため屋敷へ

さて、ここから私たちは夢を訪れた者である「うつりて」となって、小泉八雲とともに夢の中を探索していきます。

雲外鏡曰く、この夢は非常に曖昧で、夢を訪れた「うつりて」である私たちの行動によって展開や結末が変化していくそうです。

私たちは、事件の真相を探り物語を進めるために、屋敷の人に話しかけたり、物品を調べたりしなければいけません。


さまざまな行動をするなかで、このような「証(あかし)」が手に入ることがあるそうです。集めた情報をもとに、30分以内にこの証を投票箱に入れることで真相にひとつ近づくようです。

とはいえ、ここから急に夜の映画村に放たれても一体どうすればいいのか……?

不安に思ったのも束の間、雲外鏡が「みなさんと同じ立場で夢を訪れることにしましょうナ」と、人の体に乗り移って話し始めたではありませんか。


「これで完璧ですナ。もし途中で困ったことがあったら我輩を頼ってくださいナ。それでは夢のなかへと参りましょうナ」

人の姿となった雲外鏡の後ろをついて、「行きましょうナ」「急ぎましょうナ」と口調を真似ながら屋外へ向かう参加者たち。静かにワクワクしています!



さて、雲外鏡からこの夢の中でできることについて、説明を聞きます。

まずは「投票」について。

先ほど聞いた通り、探索しているなかで「証(あかし)」を手に入れることがあります。

証は3種類あり、赤の証なら「ひとの仕業」、青の証なら「あやかしの仕業」、そしてその両方が書かれた証。30分後に鐘が鳴るので、それまでに手に入れた情報をもとに「これだ!」と思う方に投票をします。

続いて、「雲外鏡掲示板」

ここにはさまざまな行動が掲示されています。事件の手がかりを調べて雲外鏡に申告するものや、屋敷の住人と一緒になにかをするものなど、いわゆる“ミッション”です。

なにから始めればわからない場合は、ここを見て進めてみるのも良さそうです。

それでは、いよいよ行動開始か……。
あたりを見回すと、遠くに小泉八雲が歩いているのが見えました。


それにしても夜の映画村の雰囲気に、明治時代を生きる登場人物、めちゃくちゃマッチしますナ!

聞き込みや屋敷の捜索で情報収集。事件の真相は人の仕業かあやかしの仕業か?

ここから先は、自分の足を動かしていきます。
登場人物に話しかけるも良し、怪しいものを見つけたら調べてみるも良し。
さっそく、八雲先生に近づいて「事件について、どうお考えですか?」と突撃してみました。

八雲さんの見解は……

「あやかしの仕業でしょう」

ふーん、なるほどなるほど。
とはいえ、まだまだヒントが少なすぎます。

屋敷をぐるりとまわって、住人たちを探してみましょう。

葉助さんに話を聞いてみたり、なぜか奉公人向けの研修に参加してみたり。

屋敷の主を訪ねて怒られたり、お使いを頼まれたり。

お次は雲外鏡掲示板を参考に、部屋から聞こえるヒソヒソ話に耳を傾けてみます。

情報を集めるなかで、浮かび上がってくる物語の輪郭。

「もう少し考えたい〜!」「いや、あの人にもう一回話を聞いてみるか!?」そうこうしている間に、鐘が鳴る時間が近づいています。

「証」は手に入りましたが、この投票で先のお話が決まるとなれば熟考必至です。

「えいやっ!」と投票したところで鐘が鳴り、全員が「中村座」に集められました。

ここから先は、この日の参加者たちの見解によってストーリーが分岐していきます。

しかも、投票は「ひとが起こした事件」か「あやかしの起こした怪異」の2択でしたが、ストーリーは2種類だけじゃないんです!
ここで分岐した先には、さらなる推理や選択が……!

ここでしか体験できない、あなただけの物語を楽しんで


ここまでの部分でも自由度が高くて面白かったのですが、この先も物品を探して走り回ったり、各々が意見を出したり、物事を決定したり、頭も体も使って物語をエンディングへと進めていきます。

キャラクターたちの軽妙なやりとりや、大捕物のように走り回る姿に思わず笑ってしまうこともあれば、シリアスなシーンも。

そして、「もしかして……?」と核心に近づいたときは思わず鳥肌が立ちました!
さて、私たちの物語はどう進んでいくのでしょうか……!?

今回の「ムジナ屋敷」の結末はひとつではありません。参加者の選択や行動が物語に変化を与えて展開していきます。
さまざまなストーリーがあり、同時に進行していくので複数参加して違いを楽しむのもおすすめです。


また、映画村での没入アトラクションのお楽しみはエンディングのあとにもあります。
写真撮影ができたり、VIPチケット特典のサイン帳にサインを集めることができるのです。


小泉八雲先生と記念撮影も撮れちゃいます。


VIP特典のサイン帳を持つ参加者の方。和装での参加も、ロケーションにぴったりで楽しそう!

夜の映画村を舞台にした没入アトラクション、またと体験できない物語なのでぜひ足を運んでみてください!

(Author:狸山みほたん)

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