【エンタメ旅のすけ Vol.01】「RANDOM18」 #イマーシブシアター

2022.07.18


Rabbitholeでマーダーミステリー製作をしまくってる監修の酒井りゅうのすけです!
作品作りをしていくというアウトプットに対して、沢山のエンタメを体験するインプットはその倍以上に必要だと思い各地のイベント等には前のめりで参加しております。そんな参加イベントの中からオススメやレビューをしていくのが【エンタメ旅のすけ】です。Vol.01として紹介するのは7月31日から開催されるイマーシブシアター「RANDOM18」です。

イマーシブシアターとは
2000年代にロンドンから始まり、以降ニューヨークを中心に注目を集めている体験型演劇作品の総称。伝統的に「観客が客席に座り、ステージ上の演者を鑑賞する」ものであった演劇を、「観客が自ら行動し、 演者と同じ空間に同居しながら物語の一部として作品に参加する」形式へと転換し、綿密な空間設計や五感を刺激する演出を通じて、観客を物語世界に深く没入させることを特徴とする

物語を”体験する”コンテンツとして、僕はとても大好きですし、注目しているジャンルの1つです。実際シナリオの構造的にはマーダーミステリーの製作とかなり近い部分もあります。(この話は長くなるのでまた別の機会にします。)

今回の「RANDOM18」を開催しているのはego:pressionというダンスカンパニーです。第9回目となるダンス公演ですが第6回目からイマーシブシアターという形式に切り替えられており、イマーシブシアター作品としては第4作品目となります。

過去に上海で「スリープ・ノウ・モア」というイマーシブシアターを見て以来、日本でも開催されないかと調べていた僕は2020年の「スパイは3度、ベルを鳴らす」という作品を運よく見つけることができ参加することが出来ました。

最近ではイマーシブシアターの常設劇場が作られたり(もう閉演しましたが)という事もあり、上演形式として広がり全国各地で徐々に公演している団体も増えつつあり、おかげでいくつもの作品に出会えてありがたい限りです。

しかしそんな中でも僕はego:pressionの作品には一際期待してしまっております。なぜならダンス公演で物語に感動して泣いたという経験を唯一させてくれた団体だからです。

そんなego:pressionの最新作「RANDOM18」の本番直前プレビュー公演に参加させていただきました。ネタバレは出来ないので詳細はお伝えで来ませんが一段とパワーアップした作品になっていました。

ネタバレなしで見どころとオススメをお伝えしていきます!

①物語の設定がとても良い

目覚めたら数百年先のカプセルの中だった――――

来るべき地球の災厄に備え、
人類の存続のために開発されたコールドスリープの技術で眠らされていた。
ここに居るのはランダムか、それとも運命なのか。

託された未来、重すぎる責務。

「なぜ私たちだったの?」

戸惑いながらも、新しい世界で生き延びることを決意する。

物語世界は壮大なのに何故この人数なのかというリアリティ、そしてそれを目撃する私たち観客はなんなのか?という事への答えすらも物語の中にしっかりと組み込まれています。この細やかな設定は物語を体験する上で前のめりなままにいさせてくれるとても大事な部分だと思います。是非、来場の際は少し時間に余裕を持って現地を訪れナレーションもしっかり聞く事をオススメします。

②会場に選ばれた施設が凄い

(https://www.instagram.com/p/CegRDHfPL0x/)

(https://www.instagram.com/p/Cen-59cPGKU/)

今回の会場に選ばれているのは閉館した5階建のカプセルホテルです。閉館して時間が経っているからこその廃墟感が、数百年先の地球というある種の荒廃した終末世界とのリンクを強めてくれます。目覚めたキャラクターたちと共に階段を降りたり登ったりと動き回ることで空間探索をする感覚も物語の登場人物とシンクロしていく良い機能を果たしています。

③追いきれない18名のドラマ。

5階建の建物を上から下まで使い、18人の登場人物がそれぞれのドラマを抱え動き回ります。当然その全てを見ることは出来ません。だからこそ自分で何を見るかを選択してまさに目撃者に能動的になっていくという体験もイマーシブシアターならではですし、この空間の大きさだからこそより明確になる部分です。
オススメとしては極力1人のキャラクターを追いかけてその人物のドラマを中心に見るのが良いんじゃないかなと思います。

④そしてダンス
見とれます。体が勝手にリズム刻みます。
大事な事をココまで書いてきていませんでした。ノンバーバル作品です。演者さんは一切セリフを使いません。肉体表現のみで伝えてくれます。言葉ではなく表情やその所作から読み取れる物語というのもダンサーさんならではの武器なのかも知れません。

⑤盛り上がる感想戦
先述の通り、1度に全ての物語を1人で見るのは完全に不可能です。さらに公演回数は14公演に対して登場人物は18名となり、全てのシーンを見ることは物理的に不可能な状態です。物語の全貌を知りたい人はどうすればいいのか?是非お友達を誘って一緒に行くのをオススメします。終わった後にそれぞれが目撃したドラマを話し合うのがまた楽しいです。話を聞くとそのシーン!観たい!!みたいな事にもなると思います。更にオススメはリピートする事ですねw

今回は幸運な事にプレビュー公演に参加させていただけたので、本番が始まる前にこの記事を書くことが出来ています。本当にこの夏オススメの作品です。
おそらく再演などはないんじゃないかなという作り込みとダンサーさん達の公演。決してお安い訳ではありませんし、Rabbitholeとは何も関係のないイベントですがこれほどの長文で酒井りゅうのすけがオススメしたという所を担保に是非一度、イマーシブシアターという世界に飛び込み新しい物語体験をしてみてください。

ego;pression公式サイト / https://www.egopression.com

プレビュー公演に参加させていただきましたが、一度では観れていない事だらけなので僕は本番にもお伺いしようと思ってチケット買ってます!現地でお会いできれば是非それぞれが目撃した物語の話をしたいですね!

 

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