エンディング

間宮 薫子
天国のお母さん……死ぬ直前に教えてくれたよね。私が産まれる前に、お父さんが死んだという話は嘘だったって。そして、もし、お父さんのことを知りたいなら、泰三さんに話を聞きなさいと教えてくれて、ありがとう。でも、ごめんなさい。泰三さんとは、お話ができなかったから、結局、お父さんのことは分からなかったよ。
でも、いいの。元々、私は、父親を知らずに育ったし、もし、今になって会ったとしても、どんな顔をすればいいか分からないから。

ナレーション
薫子さん。あなたは父親の真相には辿り着けませんでしたが、泰三さんがお亡くなりになられたことで、むしろ未練をきっぱりと断ち切ることができました。そして、今までと同じように、これからも力強く生きていくのでした。

エンディングJ
高泉 源次郎
1930年代……あの頃の大日本帝国は、財閥(ざいばつ)グループによって支配されており、間宮電器が生き残るには、わずかながらの不正は、致し方なかった。私は実行部隊として、何度も、この手を汚してきた。いずれ、司法(しほう)の手が及ぶかもしれない、そう考えると、妻子(さいし)に迷惑を掛けることは避けたかった。だから、縁を切ったというのに……今になって、産まれてから一度も会ったことのなかった娘に会ってしまうとは、な。
薫子……か。確かに、紫(ゆかり)によく似ている。しかし、今の私に、父親として彼女と会う資格はあるのか……?

ナレーション
高泉さん。あなたは薫子さんが、あなたと、あなたの別れた奥様である紫さんとの間のお子さんであることに気づきました。そして、事件が終わった今、彼女が間宮邸を離れる前に、最後に会おうと考えられました。ですが、

高泉 源次郎
来ない……か。まあ、それは、そうか。自分が産まれる前に、家族を見捨てた父親になど、今さら会いたくもないだろうからな……まあ、孤独な男にとって、この孤独な終わり方は、これ以上はないくらいに、うってつけかもしれない。さあ、泰三さん、これから行くから、悪いけれど、また相手してもらいますよ。

ナレーション
あなたは邸内の一室で、ひとしれず自殺することを選びました。それは、きっとあなたなりのけじめの付け方だったのでしょう。別れた奥さんや娘さん、12年前に殺したある私立探偵のことを考えながら、あなたは自分の人生に、ご自身で幕を下ろされました。

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エンディングI
高泉 源次郎
まったく、長いようで短い人生だった。もっとやるべきことが、あっただろうに、私は、どうしたってこんな生き方をしてしまったのだろうか。もっとも、孤独な男にとって、この孤独な終わり方は、これ以上はないくらいに、うってつけかもしれない。さあ、泰三さん、これからそっちに行くから、悪いけれど、また相手してもらいますよ。

ナレーション
高泉さん。あなたは邸内の一室で、ひとしれず自殺することを選びました。それは、きっとあなたなりのけじめの付け方だったのでしょう。別れた奥さんや娘さん、12年前に殺したある私立探偵のことを考えながら、あなたは自分の人生に、ご自身で幕を下ろされました。

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エンディングK
高泉 源次郎
1930年代……あの頃の大日本帝国は、財閥(ざいばつ)グループによって支配されており、間宮電器が生き残るには、わずかながらの不正は、致し方なかった。私は実行部隊として、何度も、この手を汚してきた。しかし、私の最大の過ちは12年前、あの男を、殺したことだろう。間宮電器が隠蔽(いんぺい)してきた様々な不祥事(ふしょうじ)を、すべて明るみに出そうとした、あの男……予知夢探偵。
今、この邸内(ていない)に、あの男の、子どもが来ている。私は……会わなくてはならないだろう。

ナレーション
果たして、高泉さんが、どのような結末を辿るのか、それは小林カイさんの手に委ねられています。

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