皆さん、どうもお疲れさまでしたネ。まずは、慣れない頭脳を酷使(こくし)したであろう自分たちに拍手を贈(おく)り褒めましょうゾ。
一同
(拍手)
巡流 ループ
議論の結果、今回、犯人として拘束した人物は(GMから聞いた人物名)ですゾ。果たしてこの人物が、まさしく犯人なのか否(いな)か、それは、やがて来たる警察の捜査によって明らかになることでしょうネ。サテ、それでは事件の真相を、つまびらかにする前に、皆々(みなみな)様(さま)のこれからがどうなっていくのか、少しだけ未来を見てみましょうかネ。
薫子、実はお前に謝らないといけないことがあるんだ。
間宮 薫子
あら、なんですの?
間宮 洋二
先月、お前の母さんが亡くなっただろう。それから、どうもお前の様子がおかしく見えてな。もしかしたら、浮気をしているんじゃないか……そう、疑ってしまったんだ。
間宮 薫子
浮気ですって! そんな、私がそんなことするはずないじゃない!
間宮 洋二
ああ、その通りだ。疑って悪かった。親父も死んでしまって、もう頼れないしな。これからは、今まで以上に二人三脚で頼むよ。
間宮 薫子
もちろんよ、あなた。これからの間宮家は、あなたが背負って立つんだから、私もがんばって支えますわ。
ナレーション
洋二さん。今回の事件を通して、あなたは妻・薫子さんに対する愛を深めるようになりました。そして、薫子さんも、またあなたに尽くし、やがて遅咲きの才能に導かれるように、あなたは実力で間宮電器の社長に就任しました。会社を大きく成長させながら、次に、あなたが悩むのは、新たなる後継者をどうするか、でしょう。
薫子、お前に聞いておきたいことがあるんだ。
間宮 薫子
あら、なんですの?
間宮 洋二
先月、お前の母さんが亡くなっただろう。それから、どうもお前の様子がおかしく見えてな。お前……浮気しているんじゃないか?
間宮 薫子
浮気ですって! そんな、私がそんなことするはずないじゃない!
間宮 洋二
証拠はあるのか?
間宮 薫子
なにを言っているのあなた、していないのだから、証拠だってあるわけがないし。あんなに愛し合っていたはずなのに、あなた、どうしちゃったの……?
ナレーション
洋二さん。薫子さんの不貞を疑ったあなたですが、調べども調べども彼女が浮気をしている証拠は見つかりませんでした。いったい、彼女の心はどこにあるのか? あなたの心は乱れ、いつしか彼女に対する愛を失っておりました。仕事にも身が入らなくなってしまったあなたは、会社を辞め、薫子さんとも離婚し、ひとりで余生を過ごすことにしたのです。
皆さん、どうもお疲れさまでした。まずは、がんばって推理した自分たちに拍手を贈(おく)りましょう。
一同
(拍手)
小林 カイ
まさか、ループ先生が犯人だったなんて……正直、信じられません。そろそろ警察がやってきて、ちゃんと捜査してくれることでしょう、ボクたちの推理が間違っていることを祈るばかりです。さて、それでは真相編の前に、皆さんがこれからどうなるのか、少しだけ未来を見てみましょうか。
薫子、実はお前に謝らないといけないことがあるんだ。
間宮 薫子
あら、なんですの?
間宮 洋二
先月、お前の母さんが亡くなっただろう。それから、どうもお前の様子がおかしく見えてな。もしかしたら、浮気をしているんじゃないか……そう、疑ってしまったんだ。
間宮 薫子
浮気ですって! そんな、私がそんなことするはずないじゃない!
間宮 洋二
ああ、その通りだ。疑って悪かった。親父も死んでしまって、もう頼れないしな。これからは、今まで以上に二人三脚で頼むよ。
間宮 薫子
もちろんよ、あなた。これからの間宮家は、あなたが背負って立つんだから、私もがんばって支えますわ。
ナレーション
洋二さん。今回の事件を通して、あなたは妻・薫子さんに対する愛を深めるようになりました。そして、薫子さんも、またあなたに尽くし、やがて遅咲きの才能に導かれるように、あなたは実力で間宮電器の社長に就任しました。会社を大きく成長させながら、次に、あなたが悩むのは、新たなる後継者をどうするか、でしょう。
薫子、お前に聞いておきたいことがあるんだ。
間宮 薫子
あら、なんですの?
間宮 洋二
先月、お前の母さんが亡くなっただろう。それから、どうもお前の様子がおかしく見えてな。お前……浮気しているんじゃないか?
間宮 薫子
浮気ですって! そんな、私がそんなことするはずないじゃない!
間宮 洋二
証拠はあるのか?
間宮 薫子
なにを言っているのあなた、していないのだから、証拠だってあるわけがないし。あんなに愛し合っていたはずなのに、あなた、どうしちゃったの……?
ナレーション
洋二さん。薫子さんの不貞を疑ったあなたですが、調べども調べども彼女が浮気をしている証拠は見つかりませんでした。いったい、彼女の心はどこにあるのか? あなたの心は乱れ、いつしか彼女に対する愛を失っておりました。仕事にも身が入らなくなってしまったあなたは、会社を辞め、薫子さんとも離婚し、ひとりで余生を過ごすことにしたのです。
やった、やったぞ! 俺は、愛する春燕(チュンヤン)に、疑いの手が伸びるのを、見事に阻止したぞ!
胡 春燕
太一!
間宮 太一
春燕!
胡 春燕
ごめんなさい、太一。私、どうしても太一と一緒になりたくて、そのためには泰三さんが邪魔になってしまったの。だから、故郷から毒を取り寄せて、花茶に入れて殺そうと思ったの。
間宮 太一
ああ、分かってる、分かってるよ。お前のことは、これからも俺が守り抜いてやるから、もう安心してくれ。そうだ、お前のために指輪を用意しているんだ。さあ、薬指を出して……。
胡 春燕
太一、あなた誤解してる。私、犯人じゃないの。
間宮 太一
もういいんだ、春燕、お前が犯人でも俺はお前を一生、愛する……え? 犯人じゃ……ない??
ナレーション
太一さん。あなたは密かに交際していた春燕さんが、泰三殺しの犯人に違いないと思い込んでいただけだったようです。勘違いではありましたが、あなたの献身によって春燕さんが拘束されなかったことは間違いありません。
そして、春燕さん、あなたの元には様々な証拠がありましたが、見事、拘束の手から逃れることができました。その陰には、太一さんの協力があったことでしょう。真実の愛を確信したお2人は、泰三さんの喪に服した後、ご結婚され、幸せなご家族を築いていくことになります。
駄目……だった。俺は、愛する春燕(チュンヤン)に、疑いの手が伸びていくのを、見ていることしかできなかった。あんなに愛を誓いあったのに、俺は……俺は、なんて駄目なやつなんだ!
胡 春燕
太一
間宮 太一
春燕!? 釈放(しゃくほう)……されたのか??
胡 春燕
ええ、私、犯人じゃないから。日本の警察はしっかりしてるね。いっぱい証拠があって疑われたけれど、ちゃんと捜査してくれた。
間宮 太一
そ、そうか。お祖父(じい)ちゃんを殺したのは、お前じゃなかったのか。俺は、お前のことを、なにひとつ分かっていなかったんだな……。
胡 春燕
太一? どこに行くの? どうして? 私たち、あんなに愛し合っていたじゃない……!
ナレーション
太一さん。あなたは密かに交際していた春燕さんが、拘束されるのを阻止することができませんでした。幸い、彼女は犯人ではなかったようですが、このすれ違いをきっかけに、あなたの心は春燕さんから離れてしまいました。
そして、春燕さん、多くの証拠によって疑われ、拘束されてしまったあなたですが、警察の懸命な捜査によって無実が証明されました。しかし、釈放されたとき、残念ながらあなたの周囲には、誰も残っていませんでした。あなたはトランクひとつ手に、日本から去ることを決心したのでした。